フレーズの第一音を外してしまうのを防ぐ(歌上達のコツ)
何かの曲を歌う時の一番初め、
もしくは曲中に長い休符が入って、
その後のフレーズの初めで音を外してしまう、
ということがあります。
いったん歌い始めると音程良く歌えるけれど、
フレーズの第一音を外してしまう、
ということはないでしょうか?
これは、伴奏を聴いてキーとスケールを判別して、
出すべき音を出すという基本が身に付いていないためです。
歌のクオリティは、発音する瞬間、
音の立ち上がりで大きく決まってきます。
その立ち上がりの瞬間に少し音を外してしまうだけでも、
リスナーの聴こえ方が大きく変わってしまうのです。
歌は、伴奏を聴くことで以前覚えたメロディーを
そのキー(調)の高さに揃えて演奏するものです。
このような能力を相対音感と呼びます。
伴奏も何もない、所謂アカペラの状態で
正しいキーをとるのは難しいと思います。
しかし、相対音感を鍛えておけば、
何らかの楽器を前奏として聴くことで、
歌い始めもきちんと音程がとれるはずなのです。
このような課題を克服することも、
ボイトレのテーマの一つです。
対策としては、コード楽器を聴きながらの
スケールトレーニングが一般的な練習方法です。
しかし、本格的なレコーディングを
繰り返していくとフレーズ初めの音程が、
良くなっていくという実例も多いです。
これは、プロ歌手のレコーディングでは
一定レベルの音程がとれないと
そのテイクが採用されないので、
間違う箇所は歌えるまで何度もやり直すからです。
その過程で、音程が課題の歌手は、
正しい音程をとるための音感と
発声法を自然と身につけるのです。
つまり、ただ歌うのではなく
問題点を注意深く探す、
ということが上達の近道なのです。
個人練習では、自分の歌を録音して
一つのフレーズを細かく聴いていく、
ということを繰り返すのも有効な練習法です。
「習うより慣れろ」
という言葉がまさに当てはまりますね。